「飲食店を開業したいけど、実際にいくらお金がかかるんだろう？」
そんな疑問を持つ方は多いはずです。
結論から言うと、飲食店開業には500万〜1,000万円程度が必要になるケースが一般的です。ただし、業態や立地、店舗規模によって必要額は大きく変わります。
この記事では、飲食店開業資金の総額の目安から費用内訳、自己資金と融資のバランス、さらに補助金や資金を抑える工夫まで、初心者にもわかりやすく解説します。
飲食店開業に必要な資金の総額
開業資金は「業態」「規模」「立地」で大きく変わります。以下は一般的な目安です。
| 店舗タイプ | 規模 | 必要資金の目安 |
|---|---|---|
| 小規模カフェ（10坪前後） | 10〜15席 | 500万〜800万円 |
| 一般的な居酒屋・レストラン | 20〜30坪 | 800万〜1,200万円 |
| 専門店や大型店（寿司店・焼肉店など） | 30坪以上 | 1,500万円以上 |
具体例
- 10坪のカフェ：内装費300万円、厨房設備200万円、運転資金100万円 → 計600万円
- 20坪のラーメン店：内装費500万円、厨房設備400万円、運転資金300万円 → 計1,200万円
👉 このように「業態 × 規模」で必要資金が大きく変わるため、まずはどのようなお店を開きたいかを明確にすることが大切です。
開業資金の内訳と割合
開業資金の内訳は大きく分けて以下の通りです。
内装工事費（30〜40%）
- 店舗デザイン・水回り工事が中心
- デザインを凝ると一気に費用が増える
- シンプル設計にすればコストダウン可能
厨房設備費（20〜30%）
- 冷蔵庫、コンロ、換気設備、調理器具など
- 新品だと高額、中古品活用で30〜50%カットも可能
物件取得費（保証金・礼金など）
- 都市部では保証金だけで数百万円になることも
- 地方や郊外では安価なケースもあり、立地選びがコストに直結
運転資金
- 開業後3〜6か月分の仕入れ・人件費・家賃を用意するのが鉄則
- 例：月間100万円のランニングコスト → 最低300万円は確保
👉 意外と忘れがちな費用
- 許認可取得費（食品衛生責任者、営業許可など）
- 広告宣伝費（オープン告知やチラシ、SNS広告）
- 制服代、レジやPOSシステム費用
自己資金と融資のバランス
飲食店開業資金は、自己資金と融資の組み合わせで調達するのが一般的です。
- 自己資金：全体の 2〜3割 が目安
- 融資：日本政策金融公庫や銀行から調達
- 補助金・助成金：追加で使える可能性あり
シミュレーション例
- 総額800万円 → 自己資金250万円 ＋ 融資550万円
- 総額1,200万円 → 自己資金400万円 ＋ 融資800万円
👉 自己資金ゼロでは融資が通りにくいため、最低でも200〜300万円は用意しておきたいところです。
融資を受ける際のポイント
飲食店開業の代表的な融資先は 日本政策金融公庫 です。審査で重視されるのは次の3点です。
-
事業計画書の信頼性
- 売上予測や資金繰りが現実的かどうか
- 書類の整合性が非常に重要
-
自己資金の割合
- 自己資金が多いほど融資は通りやすい
- 「全額借入」は基本的に難しい
-
飲食業界での経験
- 実務経験があると「成功可能性が高い」と評価されやすい
- 未経験者は「研修」「試験開業（ポップアップ店舗）」で補う方法も
👉 注意点
- 売上予測を楽観的にしすぎると逆効果
- 収支計画は「最悪ケース」も提示すると信頼度が高まる
開業資金を抑える工夫
-
中古設備を活用
- 新品購入より30〜50%削減可能
-
居抜き物件を利用
- 厨房や内装がそのまま使えるため、数百万円の節約に
-
シンプル内装
- 豪華なデザインより「清潔感・機能性」を重視
-
立地の工夫
- 家賃の安いエリアを検討することで固定費を圧縮
ケース比較
- 新築内装＋新品厨房 → 1,000万円
- 居抜き活用＋中古厨房 → 500万円台に抑えられることも
補助金・助成金・クラウドファンディング
小規模事業者持続化補助金
- 販促・広告、内装改装に利用可能
- 最大50万円支給
IT導入補助金
- POSや予約システム導入に使える
- 最大350万円支給
自治体独自の補助金
- 例：東京都の創業助成金（100〜300万円）
クラウドファンディング
- 資金調達＋宣伝効果を兼ねられる
- 「開業前からファンを集めたい人」に有効
よくある質問（FAQ）
Q1. 飲食店開業には最低いくら必要ですか？
A. 小規模であれば300万〜500万円でも可能ですが、一般的には500万〜1,000万円が目安です。
Q2. 自己資金が少なくても融資は受けられますか？
A. 可能ですが、融資額は自己資金の2〜3倍程度が上限と考えられます。
Q3. 日本政策金融公庫の融資審査で重視されるポイントは？
A. 「事業計画の実現可能性」「自己資金の割合」「飲食業の経験」です。
Q4. 運転資金はどのくらい必要ですか？
A. 最低でも3か月分（仕入れ・人件費・家賃）を用意しましょう。安心なのは6か月分です。
Q5. 開業資金を抑える一番の方法は？
A. 居抜き物件の活用です。内装・厨房をそのまま使えれば数百万円単位で節約できます。
まとめ
「やっぱり開業には思ったよりもお金がかかるな…」
そう感じた方もいるかもしれません。
ただし、資金計画は工夫次第で抑えることも可能です。さらに融資や補助金を組み合わせれば、自己資金が少なくても実現できます。
飲食店開業の夢を、正しい資金計画から実現させましょう。
